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情報と田舎〜震災一年後の前後一週間〜「その3(二本松〜南相馬)」

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皆さん、こんにちは。 ブログが大分空いてしまいましたが、皆さんはお変わりございませんか。 連日、怒濤の出来事が続いており、今日はようやくブログに手をつけられた感じです。 前回紹介した二本松で出会った人々や食材を通じて、 自分の知らない日本の魅力がこんなにもあることに気付かされました。 私たちはコンビニやスーパーなどに並んでいる食品に慣れ親しんでしまい、 ついついこれらが当たり前の食べ物と思ってしまうのですが、 田舎に行き、その土地で作られ、調理されたものを食べることほど、 幸せな食べ方はないのだと思いました。 麹にみそに沢庵に凍み餅に甘酒に、どれも豊かな味わいです。 都会では決して味わえない贅沢を田舎で味わった体験でした。 食べ物だけではなく、蓑や笠などの昔の衣類を現在も手作りでされている方々に 出会うことができました。 昔の衣類は丈夫で機能性に優れております。 このような伝統技術を担う若い方がおらず、技術の継承が危ぶまれております。 こういうものが現在も存在すること、 このような優れたものを日本人は編み出し、生活に取り入れてきたこと、 若い人たちと一緒に大切にしていかねばならない日本人の誇りだと思います。 3/11は場所を南相馬に移し、三嶋神社での慰霊祭に出向きました。 芸大や國學院の学生さんたちが雅楽をご披露下さり、 鎮魂の祭事に相応しい音色を奏でて下さいました。 当日は、ネット回線の関係でカメラ機材ではなく、 スマートフォンを用いてUstream中継を行わせて頂きました。 神社より御礼にお土産を頂戴しました まだまだ紹介しきれないほど、沢山の場所、地元の方々とお会いさせて頂きました。 思うことは、私たちが当たり前に過ごしている日常の中には、決して表れない 日本の素晴らしさ、地域の魅力がまだまだ眠っているということです。 都会の生活は大変便利ですが、インターネットも電気も元来はなかったものです。 それらのものがあるからこそ、今の生活が快適に過ごせる訳ではありますが、 もし、それらが無かったのなら、もしかすると私たちは、 日頃気付けないかけがえの無い発見や気付きを得るのかも知れません。 生活の豊かさ代償に、私たちは心の豊かさを減らしてしまっているのかも知れ...

情報と田舎〜震災一年後の前後一週間〜「その2(二本松)」

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二本松から新天地に移られるため、民家の内装を全て取り外す作業を始めて二日目。石釜や薪ストーブなど、電気を使わず食材を調理する生活の様々な家具に触れました。 石釜を取り壊している様子 還暦を迎えた女性が一人で強固な石釜を作られました 他にも薪ストーブをご自身で設置されたり、 5、6年分の薪を割られて倉庫に保管されていたり、 この方のパワーには圧巻でした 合間、福島の地元の食品を代行販売されている方のつながりで 二本松や南相馬の様々な場所に同行させて頂きました。 二本松のまちの駅では、地域の産物が生産者の名前付きで売られておりました。 ベクレル検査の表示もあり、被災地で苦労されながらも 安全なものを届けたいという農家さんの想いが伝わって参りました。 ふきのとうやかぼちゃ、茄子なの野菜ばかりの天ぷら これで300円! 軒先に並ぶ干し大根 こちらではいろいろな食材と遭遇することに。 こんにゃくが食感が柔らかく、味が中まで染み入っていて感動! こんな美味しいこんにゃくは始めてでした こぼうも甘く煮付けてあるものと、炒めた味付けのもの 歯ごたえと味付けが絶妙にマッチしてて、 こちらも今までで一番美味しいごぼうでした よもぎを刷り込ませて、お米で作った凍み餅 凍らせて作る為、寒い地方でないと作れません 朝は雪かき、午前は民家の解体作業、午後は農家訪問、夕方雪かき 温泉に滑り込んで汗を流すそんな繰り返しの数日間 被災地で過ごす田舎暮らし、放射能と向き合いながら暮らしている人たちの気持ちを感じ取りながら、ネットも情報も疎遠な場所で、自然に囲まれながら過ごした貴重な数日間でした。 (次回に続きます)

情報と田舎〜震災一年後の前後一週間〜「その1(二本松)」

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皆さん、おはようございます。 昨日、福島より戻って参りました。 まるまる六日間、東京を離れておりました。 まずは、二本松市で友人のご実家の引っ越し作業をお手伝い致しました。 築百年以上もする古民家 この家たどり着く為に道の雪かきから始まりました。 こんな道をひたすら雪かきするわけです! このお家は、震災が起きる一年前に還暦の方が一人暮らしをしながら、 野菜を使った漬け物や、体に優しい食品の製造、販売を手がけるために 移られたお家とのことです。 死ぬまでここにいる覚悟で住まわれた家を人災による放射能汚染で 理想とする食品をこの場所で作ることができなくなったため、 止むなく他県へと移住することを決められたそうです。 二階はお蚕さんをされていたそうです。 迷路のようなこのお家は百平米以上もの大邸宅 (次回に続きます)

SCF「地域映画合戦2012」閉幕〜笹塚フィルムフェスティバル/東葛映画祭

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皆さん、こんばんは。 今日は気持ち、少し温かかったかなと思える感じでした。 お変わりありませんか。 2月は、光陰矢の如し、あっという間に3月ですね。 「ソーシャルシネマフェスティバル-地域映画合戦2012-」 皆様のお陰を持ちまして、無事閉幕することができました。 最終日は立ち見が出る状態で、大盛況の内に終えることができました。 参加監督、支えてくれたサポータースタッフ、そして来場者皆様と劇場関係者様に 心より感謝致したく思います。 名画座「シネマ・ジャック&ベティ」前にて 最終日は満員御礼でした! グランプリを取られた「あおとんぼ」が地元紙で取り上げられました これから今年の反省点を元に、来年は「時代劇」部門を設けたさらに成長した映画祭に して参りたいと思っております。 この映画祭を通じて、地域の魅力や制作者皆様の活動を知ることができました。 そして、映画を通じて地域の魅力を引き出すことができる可能性を知りました。 映画祭は、このような「場所」を提供していき、そこで生まれる交流を引き続き、 追究して参りたいと思っております。 「炎夏enka~夜藝の湖畔~」の林はるの監督を囲む地元の方々 映画館に地元の方々の声援が飛び交いました! 監督さんの人柄と、映画に対しての熱い想いに感動しました この映画祭を通じて、自身もいろいろな発見を致しました。 地域と地域が交流をしていく橋懸かりの一つを映画が築いていく、 そんなきっかけが感じられた三日間でした。 映画祭の開催前、 私の前作「わかれもの」が笹塚フィルムフェスティバルにて「奨励賞」を受賞致しました。 会場に駆けつけてくれた池田優菜さん、村田桂さん、 ヘアメイクの西村リサさんご家族ありがとうございました! 「わかれもの」とても想い出深い作品を制作させて頂きました。 自分が二十代最後に作った短編映画にして、いろいろな方々のご協力、 そして気付きがあった作品です。 参加者皆さんで記念写真を致しました! そして、東葛映画祭でもノミネート上映をして頂きました。 スタッフ、MC皆様の温かさが触れられる映画祭でした! こうして、いろいろな出会いを経て、現在の私がおります。 生活をしていく中で、いろいろなことが進んでいく反面、 ...

ソーシャルシネマ・フェスティバル「地域映画合戦2012」

皆さん、 こんにちは。 早いもので、既に1月も後半ですね。 如何お過ごしでしょうか。 さて、私が企画致しました「ソーシャルシネマ・フェスティバル-地域映画合戦2012-」 のサイトがリリース致しました。 http://socialcinema.jp/ 力作ぞろいでとてもワクワクしております。 是非、予告編をご覧頂き、投票をして頂けたらと思います。 また、「camp fire」にて映画祭の運営をサポート下さるパトロンを募っております。 立ち上げたばかりで、経済的に余裕ない体制ですので、 皆様のご浄財を賜りながら、地域の魅力と若手の作品を 幅広く発信して参りたいと思っております。 皆様のご協力をなにとぞ、宜しくお願い致します。 http://camp-fire.jp/projects/view/148

二〇一一年から二〇一二年へ

皆さん、 こんばんは。 早いもので後数時間で来年を迎えますね。 本年は震災を始め、多くの人々にとって忘れることのできない年になったかと思います。 震災を通じて、今まで見えてこなかった社会の様々なことに気付かれました。 私たちはエネルギーや生活の在り方始め、多くの問題を抱えていながら、 それを知らず知らず、「当たり前」になってきた生活があります。 この「当たり前」という感覚は、自分たちの生活をスムースにさせる一方、 そこから脱却、もしくは成長するための知恵を忘れてしまうことにも繋がります。 生活が豊かになり、情報が容易に入手できる時代に、 私たちは、何かを得ることへの感謝や敬意を 少しずつ忘れていってしまっていると常々感じます。 人が元来、大切にしている食、住まい、そして、土地、文化、 それぞれは、人と人とが手を交わし合い、顔を向かい合って、 繋がっていく想いが必ず含まれます。 本年は亡くなった多くの方々の想い、そして、亡くなった方々への想いを胸に、 来年は私たち自身が、生きている様々な人たちに向けて、 どのような想いを伝えていくかを考えていきたいと考えております。 いろいろな思想や環境があり、 全ての人がすぐに寄り添うことができないかも知れませんが、 唯一できることは、まず向かい合い、そして相手と語り合うことだと思っております。 そのことすらも軽薄になってきている時代だからこそ、 相手の存在に、まず感謝と敬意を払い、 そこから何かを形や成果を創造していこうと「努める気持ち」こそが、 次の世代に向けて、新しい発想や知恵を生み出してくれます。 「コミュニケーション」という言葉には 「相手と共に努める」という想いが含まれていると感じております。 震災があった日本、そしてデジタルが普及する社会の中で 「コミュニケーション」は欠かせないものと思います。 私自身二〇一二年、本年にも増して、人と向かい合う機会が増えると思います。 その中で、相手と対話し、素直に自分の気持ちを打ち明け合うことは、 コミュニケーションが不足になってきている現代の日本に、必要なことと感じます。 二〇一二年は自身の持っている「映像」「映画」を用いて 「地域と地域をコミュニケーションで繋げていく」活動を中心に 活動を...

激動の11月/「Fujitsu Design サイネージPV」「京都ラボ」

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皆さん、 こんにちは。 底冷えが続いておりますが、お変わりはございませんか。 私の方はまだ11月頭の感覚ですが、もう12月中旬に差し掛かっているのですね。 毎日毎日沢山の感動を 覚えながら活動しております。 最近お仕事させて頂いたFujitsu Designさんのサイネージ映像では、 近未来の空間デザインの在り方を映画的に展示したいとのご依頼で 7分半の映像を作成致しました。 主演を担ってくれた笠原千尋さん キャンドルジュンさんのキャンドルを使わせて頂きました 空間ができたスペースに彩りを添えるデザインを、がコンセプト 11月末に香港で公開されましたが、 とても好評を頂いたそうで、クライアント様も満足で帰国されました。 大変嬉しい限りです。 そんなお仕事を納品させて頂き、いつものごとく夜行バスに飛び乗り、 仕事の合間を作って、京都で若手才能育成ラボに参加して参りました。 世界各国から集った作家たちが時代劇をテーマにショートフィルムを 制作するプロジェクト。 世界の方々との繋がりができ、また外から見る日本を再確認できた時間でした。 主演の女優さんとは2年ぶりの再会! みんなMacが標準です。ロケハンでの動画をチェックしてカット割り。 撮影所の方々は制作者のデジタルの波に驚かれておりました。 おいらは録音部を担当させて頂きました。 ご指導頂いた松陰信彦さんには心より感謝。 丁寧に指導下さいました。 世界各国からの仲間たち。沢山の友人が出来ました! 久方ぶりの友人にも会え、大変刺激的な時間でした。 今、私がよく感じるのは日本と海外との繋がりです。 日本には沢山の素晴らしさがあり、それを映像や映画で捉えているものは 沢山ありますが、物を創るアイデアや技術は豊富にあっても、 それを外に伝えていく手法が海外に比べると劣っている気が致します。 言語や島国の特性から諸外国との繋がりが薄い日本ではありますが、 今海外は日本の文化や精神性など、多いに注目をしていると感じます。 日本のコンテンツ業界、特に映画業界に求められていることは、 1)外から見た日本の魅力の再発見 2)海外に向けてコンテンツを伝えていく発進力 を強化していく必要があると感じます。 特に1に関しては、国内の地域の魅力を外から再発見することも...